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当たり前の有難さ

紅葉の葉が色づき始め、いよいよ京都の秋を感じる季節になりました。幹に力を残して厳しい冬を乗り越えるために木々が一生懸命に生きている証拠です。「木が今を精一杯生きている。」「木に心があるかないか?」そんなことを考えることが出来る我々人間は幸せな生き物です。自然と自分自身を重ね合わせて明日の活力に変えることが出来るのですから。

秋になれば木々が色づくのが当たり前、冬が寒いのが当たり前、春に若葉が芽吹くのも、夏が暑いのも自然の摂理だから当たり前。しかしその自然が織りなす妙景に感銘を受ける当たり前の気持ちを忘れてはいけません。当たり前が当たり前にやってくる今は何故あるのでしょう?来ることが当然と思って慢心していませんか?禅僧である私自身にも言えることです。

今年も暮れに差し掛かり一年が終わるのもあと僅かです。心を働かせて今の自分を見つめ直しましょう。多くの困難が降りかかってきたこの一年、我々の慢心が露わになった一年でもあるかと思います。常に磨き続けましょう。皆様のご精進を心より願っております。


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