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鉄庵道生禅師画讃 詩 鹿柴 (ろくさい)王維


王維

空山不見人 空山人を見ず, 但聞人語響 但(た)だ人語の響きを聞く。 返景入深林 返景深林に入り, 復照青苔上 復(ま)た青苔(せいたい)の上を照らす。

人影のないひっそりとした山の中、誰かの話し声だけがこだまして聞こえてくる。 夕日の光が深い林のなかに射し込んできて、策に蒸す青い苔の上を照らしている。 寂しげな山の風景に夕日が差し込むと鹿よけの柵に蒸した苔が照らされ何とも言えない風景である。

当院の什物である鉄庵道生禅師画讃の軸物。鉄庵道生禅師は弘長(こうちょう)2年生まれ。出羽(でわ)の人。大休正念の法をつぎ,各地を遊歴。出羽高畠(山形県)の資福寺,筑前(ちくぜん)(福岡県)聖福(しょうふく)寺,京都建仁(けんにん)寺,鎌倉寿福寺などの住持をつとめた鎌倉時代の臨済宗の僧侶です。 大自然の妙景を見ると気付かされることは数多く、感慨深いものがあります。その心に浮かんだ思いを大切にする。花は鮮やかで葉の緑は生き生きとしている。水は高いところから低いところに流れていく。雨が降れば地はぬかるむ。これら至極当然のことが実は大切なのです。 大自然の中に本当の気付きがある。しっかりと見つめていかなければ見落としてしまうような変化を注視することは至難の技ですが、この行いを続ければ心は養われていくのです。

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