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刻苦光明必盛大也

刻苦光明必盛大也(こっくこうみょうかならずせいだいなり) この言葉は私が修行道場に行くことを決めて、妙心寺僧堂の前師家、岫雲軒老大師̪にお会いした時に老師がかけて下さったお言葉です。 元々中国の臨済僧・慈明楚圓(じみょうそえん)禅師の逸話で、厳しい修行の中坐禅をしている時に睡魔に襲われたらただ一言、「刻苦光明必盛大也」と言って錐で股を刺して耐え忍んだとされる話からきている言葉であります。 苦しい時こそ耐え忍ぶ、耐えて耐えて耐え抜いた先に必ず光明が出る。これから未知の世界に飛び込まんとしていた自分にはこれほど励みになる言葉はありませんでした。 私の修行時代は短いもので、たった2年と数か月ではありましたが、現代社会とは隔絶された道場の生活に中々四苦八苦したのは確かでした。そんな時ここで帰れば楽になると思うのではなく、ここで修行できることの楽しみを見つけてやろうと思い、日々を過ごすうちに気持ちはいたって晴れやかになりました。確かに体は疲れていましたがスッキリとしている。光明が見えた瞬間でした。自分の経験を大層に書いてしまい失礼します。しかし私にしてはとても貴重な経験でした。 修行道場に行くまでは光明とはなにかえらく荘厳なもので、空の雲がパカッと割れて光が差し込むようなどえらい現象と思ってましたが、ひそかに自分の中でピョコっと芽生えるものと気付けたからです。このひそかな気付きに出会えたことは私の宝でした。 最近の世の中は、いかにつらい世の中に目を背けようかということをしきりに考えてはいないでしょうか?例えばよく聞くのが、「お茶汲みするためにこの会社に入ったんじゃねぇ!」とか「会議資料を刷るために俺は存在してねぇ!」とか「俺の能力に似合う仕事をよこせ!」といきり立つ若い方々。 しかし是非考えてほしいものです。そのいただいた仕事満足にこなしましたか?先輩の方々が何も指摘しないくらいまで完璧にこなしたことはありますか?確かに嫌味を言うちょっと付き合いにくい方もいるでしょう。しかしその人に何も言われんようになるまで努めてみようと踏ん張ったことはありますか? ぜひその領域まで努力していただきたい。そうすれば必ず光明は自分の心の中にピョコっと芽を出してくれます。


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