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お墓参りにお越しになられればお墓に手を合わせます。当たり前のことですが一体何に、誰に手を合わせているのでしょう?「ご先祖様に手を合わせる」その通りですし、もちろん間違いではありません。目の前にあるお墓の下にはご先祖様の御遺骨が安置されており、亡くなった方々に対して手を合わせることは勿論尊い行いであります。

以前「千の風になって」という歌が世間をにぎわせました。「私のお墓の前で泣かないでください、そこに私はいません、眠ってなんかいません。」とても印象的なフレーズです。

確かにそこにあるのはお骨であって、生前話した故人と会えるわけでも、話せるわけでもありません。「じゃあお墓に意味なんてないじゃないか」と仰る方もいるでしょう。生前の故人に会えない、話せないという観点だけを見れば確かにその通りです。

しかしご先祖様に手を合わせるという事は「生きている我々の命が今ここに確かにある。」という事なのです。ご先祖様の誰か一人欠けていたら今の自分はいないのです。喜怒哀楽を表現することも、人との出会いも、人生に悩み、日常に苦しむことも出来ないのです。辛い思いをして、人生に向き合い、でも今ここに生きている事すら感じることが出来なかった。今生きている自身に感謝して精進を誓うことこそご先祖様を通じて今ある自身に手を合わせるという事なのです。

これからお盆がやってきます。人間が一番当たり前になって気付いていない自分が生きているという事はどういうことなのか?手を合わせるたびに向き合い考えてください。有難いのは今を生きている自分の命が一つしかないこと。この世にこれ以上の宝はないのですから




如今放擲西湖裏 下載清風付与誰(にょこんほうてきせいこのうちあさいのせいふうたれにかふよせん)『碧巌録』四十五則


西湖は中国十大風景名勝の一つで杭州の第一の名所です。中国の南北を繋ぐ重要な交通、交易の拠点であります。この西湖に荷を運ぶ帆船を想像してください。重き荷を乗せて船足は遅く、帆船とはいえ人力で乗り越えねばならぬ関門は山ほどありとてもつらいものです。

たった今西湖に着き、荷を下ろす(如今放擲西湖裏)。

荷を下ろした船は身軽になります。

そしてただただ流れに乗って下っていく

この涼やかな風を誰かに分けてやりたいものだ。(下載清風付与誰)

船頭はじめ船乗りの晴れやかな顔が浮かびますね。


日本には「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし。急ぐべからず。」という徳川家康の遺訓があるそうです。戦国の世に囚われた考え方で私は好きではありません。なぜならば後に「不自由を常と思えば不足なし。(不自由が当たり前と考えれば、不満は生じない。)」と続くからです。不自由があるから自由を感じる、悲しみがあるから喜びがある。戦国の世という修羅が横行する世において、天下取りに囚われた一人の男の言葉です。


『碧巌録』四十五則と徳川家康の遺訓の違い、それは分かち合うことと自身の経験から来ることを強いることの差です。想いは自由、情景を思い浮かべれば分かち合えることが「如今放擲西湖裏 下載清風付与誰」にはあります。「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし。急ぐべからず。」には自身しかありません、そして急ぐべからずと。重き荷とすら思わない、急ぐなんて感性は人それぞれ、そもそも急がぬ者もいる。遠き道などと言ってる間に今あっけなく死んでしまうことがあるのが人の命であります。


重き荷を積んでおれば船足は重い、しかし船から荷が下りれば軽くなる、自然と船足は軽くなり、風を感じる余裕が出る。当たり前と向き合った先に感じることを分かち合う詩に触れることが出来る私は幸せです。皆様にとっての下載清風が訪れます事お祈りしております。


コチラの御朱印はうちわ御朱印をご予約いただいた方々限定で授与させていただく御朱印です。三ヶ寺合同のうちわ御朱印ですので三ヶ寺それぞれに特別授与の御朱印がございます。大雄院さんのホームページで御予約が出来ますので是非よろしくお願い致します。


[ 期 間 ]令和4年7月1(金),2(土),3(日)/8(金),9(土),10(日)


[ 時 間 ] 9時・10時・11時・13時・14時/各回10人ずつ※予約制


[ 志納金 ]京うちわ一体、三ヶ寺共通拝観券付き 4000円


各寺院にて

うちわ御朱印期間限定の御朱印授与がございます(1000円)

※うちわ御朱印にご予約頂いた方に授与いたします


ご予約

大雄院HP「御朱印」ページにて受付中です


daiouin.com

  • 2022年6月16日


御朱印に使える判子たちを空いている時間に彫りました。

御朱印以外でも手紙に使ったり、色々と用途があります。

彫り進める内に石の癖が少しずつ分かるようになる。なったと思えばまた知らない石の癖に出会う。

自分や人と向き合うことにも通じるものがあります。人と物で区別してしまう自分を捨て去る。随所に気付きが散りばめられている。世界は素晴らしい。

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