自由な両手

空手來空手去(くうしゅにしてきたり、くうしゅにしてさる)

人間は生まれてから人と出会い、経験を積み、居場所を得て、多くの物を手にしますが、死ねばどれ一つ残りません。全て置いていくのです。

自分が積み上げてきたものを大事に抱え込んでしまう気持ちは分かります。皆様は自分の為、家族の為、友人の為、社会の為、世界の為に色々なことを成し遂げておられることだと思いますが、そこで培った能力・技術を必要とする人に還元することで更に多くの人の支えとなります。私の思う「置いて行く」とはこのことです。そして還元するときに形だけではなく、そこに込められた「思いを必ず伝えて行く」ことを忘れないでいただきたいと思うのです。

道具があっても、使い方を知っていても、「どの様に使うべきか?」が分からないでは意味がないのです。なぜこの能力・技術がここに残ったのか分からなければ、引き継ぐ意味もありません。そう考えると生きてるうちに不必要なものを多く抱えている気もします。そのようなものは置いて行きましょう。気が付けば手には多くの物がありますが、人に分けることが必要なもの、執着しているだけで本当はいらないもの、まだ使いながら磨かなければならないものがあるはずです。そしていずれは手放して、両手を振って歩けるように、新たなものを拾えるように、常に両手を使えるように人生という道を歩いていきましょう。