5月の月例直書き御朱印授与の日程を京都市の緊急事態宣言を受けて29(土)30(日)に変更いたします。尚朝粥坐禅会にいたしましては中止させていただきます。差し迫った変更をご容赦ください。皆様どうかお体を大切に、無理をなさらず。
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- 2021年4月17日
5月の月例御朱印授与日は5月1日、2日です。今回の御朱印の言葉とその意味、思いは以下の通りです。
「魚化龍うおりゅうとかす」
中国黄河中域、龍門山にある激流はその荒れ狂う流れで災害をもたらしました。人々が治水工事を行った結果三段の流れのきつい滝が出来上がります。これに苦労するのは鯉などの魚です。激流は魚たちにとってすいすいと登れる流れとまでは言いませんが、三段の滝が出来ればより登りにくくなります。この流れを登り切った鯉は龍になると信じられ「登竜門」の伝説が生まれ、そこから派生して日本には5月5日に鯉のぼりを風にたなびかせるのです。色々と困難を乗り越えて逞しく育ってほしいという願いが込められるのはこの言葉からきているのです。
私は前後の句でも最後の句をもっと知っていただきたい。「龍と化して空へ駆けていった鯉はもう滝にはいないのに、愚かな人間が水ばっかり掬っている。」確かになるほどと思うのは私だけではないはずです。
必死に登ろうとする鯉たちは今を一生懸命に生きる人間、そのような人たちの足を引っ張れ、出し抜けと無駄な策を弄する人間は何の成果もあげれません。その愚かさに気付いた時にはもう遅く、たゆまぬ努力を続けた人は雲の上の存在になっています。
「柳は緑、花は紅、真面目(しんめんもく)」
中国の宋代の詩人、蘇東坡が残したとされているこの言葉。大自然を見てみれば草木は緑、花は紅に染まる、水は高いところから低いところへ、風は吹くのみ吸いはしない、日が昇り沈めば月がでる。
当たり前の世界こそが真面目(本来の姿)であると端的に表現したこの言葉、我々はこの当たり前をしっかりと向き合って受け入れているでしょうか?自然に敬意をはらっているでしょうか?敵対し、抗ってるだけではないですか?真面目(しんめんもく)は別の読み方で「まじめ」と言いますよね、宋の時代の人たちは今の我々なんかよりまじめではないでしょうか。
皆様のお越しをお待ちしております。
- 2021年4月17日
「葉々起清風(ようようせいふうおこる)」
5月からの月替わり禅語御朱印はこちらです。「相送って門に到れば修竹あり。君が為に葉々清風を起こす」育った弟子の門出を祝う師匠の気持ちとはこんな感じなのでしょうか。私が修行道場から自坊に帰るとき、風がより爽やかに、また背中をおしてくれているように感じました。
何か特別なもてなしや、贈り物を戴くわけではなく、ただ門の前で師匠である老師様がそこから見え無くなるまで門送(もんそう)してくださる。それだけでも有難いことです。今、必要以上にべったりしていることはありませんか?
サラッと「行ってこい!」それだけの方が心強いこともあるのですよ。そんなご縁を皆様に、皆様のお越しをお待ちしております。
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